皆さんこんにちは!
株式会社MIHOBI、更新担当の中西です。
シリーズ2: 建築工事の計画と設計のポイント
第4回:基礎工事の種類と選び方
前回は、地盤調査と造成工事の重要性について解説しました。
今回は、**建物を支える「基礎」**に注目し、さまざまな工法やメリット・デメリットをご紹介します。
地盤と同様、基礎も建物の安定性に大きく影響する重要な要素です。
1. 基礎工事の役割
◎ 建物と地盤をつなぐ“土台”
基礎は、建物の荷重を地盤に均等に伝えるための部分。
不均一な荷重や軟弱地盤のまま施工すると、不同沈下や建物の傾きなどのリスクが高まります。
◎ 地震時の振動を軽減
建物にかかる地震の力を、適切に地盤に逃がす役割も担います。
耐震や制震の要素とも深く関係するため、基礎設計には最新の技術・知見が取り入れられています。
2. 主な基礎工事の種類
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ベタ基礎
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特徴: 床下全体にコンクリートを一体的に打設して支える工法。
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メリット: 地盤との接地面が広いので、地耐力(ちたいりょく)の低い場所でも不同沈下が起きにくい。
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デメリット: 施工費用が比較的高くなることが多い。
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布基礎
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特徴: 建物の外周や主要な壁下に“布(帯)状”にコンクリートを打設して支える工法。
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メリット: 施工がシンプルでコストを抑えやすい。
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デメリット: 接地面積がベタ基礎より小さいため、軟弱地盤では沈下リスクが高まる場合も。
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柱状改良・杭基礎
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特徴: 地盤が非常に軟弱な場合、地中に杭やコンクリート柱を打ち込み、安定した層(支持層)まで達する工法。
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メリット: 支持層まで杭を打つことで、大型建物や高層建築にも対応可能。
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デメリット: 工期が長めで費用が高額になる傾向。専門的な機械や技術も必要。
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独立基礎
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特徴: 柱の下に個別に“独立”したコンクリート基礎を設ける工法。
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メリット: 小規模な建物や倉庫など、構造がシンプルな場合に適している。
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デメリット: 建物の荷重が集中する部分には補強が必要となるため、適用範囲は限定的。
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3. 基礎の選び方と注意点
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地盤調査の結果を最優先
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地盤の強度や土質をしっかり把握し、建築物の規模や構造に合った基礎工法を選ぶ。
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軟弱地盤では杭基礎やベタ基礎、硬い地盤なら布基礎も検討可能。
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建物の用途や重量を考慮
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木造住宅、鉄骨造、RC造(鉄筋コンクリート造)など、構造や重量によって適する基礎は変わる。
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軽量な建物なら布基礎やベタ基礎、重量が大きい建物なら杭基礎などが選ばれやすい。
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コストと工期のバランス
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同じ地盤でも、ベタ基礎のほうが費用は高いが安定性は優れる。
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杭基礎はさらに費用と時間がかかるが、高い安全性を得られる。
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予算と安全性のバランスを考慮し、設計者や地盤の専門家と相談しながら決めましょう。
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施工品質にも注意
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どの基礎工法でも、適切な施工品質を確保しなければ本来の性能を発揮できません。
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コンクリートの配合や養生、杭の打ち込み精度など、現場でのチェック体制が大切です。
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4. 基礎工事にかかわる最新動向
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地盤改良の多様化
固化剤を使った表層改良や中層改良など、地盤改良工法が年々進化。
複数の工法を組み合わせるケースも増えています。 -
耐震+免震・制震技術の組み合わせ
基礎部分に免震装置を組み込み、地震の揺れを受け流す建物も増加。
特に病院や公共施設など、揺れに弱い設備を保護する必要がある場合に有効です。 -
環境配慮の工法
土壌汚染対策や産業廃棄物削減など、環境負荷を低減するための施工方法が注目されています。
コンクリートの再利用や低炭素セメントなど、新素材の開発も進行中。
まとめ
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基礎は建物の“要”。地盤や建物の構造・用途によって最適な工法を選択する
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ベタ基礎・布基礎・杭基礎など、それぞれメリット・デメリットがある
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地盤調査結果を踏まえて、コスト・安全性・工期のバランスをしっかり検討
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施工品質の確保が何よりも重要。信頼できる業者選びが不可欠
次回は、「建物の骨組み(躯体工事)の流れとポイント」について解説します。
基礎の上に建物の骨組みがどう立ち上がっていくのか、その工法と注意点をしっかり理解していきましょう!
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